それでも僕らの呼吸は止まない/キタニタツヤ
立ち止まってしまった日の記憶
回想に意味はないのに
明日への恐怖に目を背けて救済を願ってしまうんだ
答えはどこにも転がっていない
君は今を見据えているか
この生に意味を与えるのは僕で、君だ、気づいているだろう
ただそこで息をしていても
救いなんてないよ、そう
未来に縋って呼吸を繰り返していくこと
きっと何十回も何千回もこの人生に失望してその度に自分を嫌うのだろう
きっと何百回も何万回も拭浄したり鈍感にしたりして それでもこうして立っている
僕の凡庸を知った日のこと、どんな運命を恨んでも
明日もどうせ変われないまま感傷に浸っているだけ
お前の無力さを呪ってても神はなにも与えちゃくれない
この生に意味があるとすればお前がその目を凝らして探せよ
ただそこで息をしていても救いなんてないよそう
未来に縋って命を燃やして見せてよ
きっと何十回も何千回も不甲斐ない僕を嘲笑してその度に鼓膜を許すのだろう
きっと何百回も何万回もくだらない生を謳歌している
それでも呼吸は止まらないなぁ
いま呼吸をしている君も僕もこの人生に失望してそれでも命を燃やすのだろう
たかが数十年の一生涯に希望がなくてもその命の火は
きっと何十回も何千回もこの人生に失望してその度に自分を嫌うのだろう
きっと何百回も何万回も拭浄したり鈍感にしたりして、それでもこうして立っている